2026.08.11 07:23村野藤吾 語沙録 「経済」建物は資本的に言えば、コマーシャルライフとストラクチャーライフのコンビネーションです。これが上手くいかないと建物は失敗する。表面にはすぐ効果を表そうというのは、すぐ消える美しさではないでしょうか。商業建築にはそれも必要でしょう。30年で償却するのか、記念建造物のように永久にそれを...
2026.08.11 07:22村野藤吾 語沙録 「クライアント」たとえば家を建てるとき「お任せください」という領域ですね。その時は自分が愛情をこめてその建物を建てるわけでしょう。いよいよものができて、今度は向こうへ移しますね。私はいつも乳母のたとえをするんですよ。建築家というのは乳母みたいなものだ。クライアントから頼まれるけれども、それは本当...
2026.08.11 07:20村野藤吾 語沙録 「人生観」社会というものは思想も文筆も含めて、どんどん消費して行くでしょう。全てはその時代とともに消費されてしまう。消費されないのは人間だけですね。これは変化しない。そうするとやはり作家は自分の心を刻み、それからやはり悲しみと喜びを経験しながら、心の深み、あるいは広さといいますか、そういう...
2026.08.09 04:41村野藤吾 語沙録 「様式」私は学生時代はなかなか反抗的で、ことに佐藤(功一)先生なんかに反抗して、様式的な問題が出てもその様式的な問題は少しもやらないで、同時日本へも伝わってきた新しい思潮のドイツのゼセッションに非常に共鳴し、そればかりやっていて先生からにらまれていたのですが、学校を出まして渡辺(節)先生...
2026.08.09 04:41村野藤吾 語沙録 「教育」やはり先生ですよ。大学といったって先生ですよ。やはり先生の人格というものが、学生に移ってゆく。これを抜きにして、知識の切り売りだけが大学の教育では困る。自ら指導に立つ、それだけの心構えのない人が学校の先生になったとする。そうすると頭だけ売るわけですよ。知性優先の教育の仕方をするん...
2026.08.09 04:40村野藤吾 語沙録 「手法」私は角があるのが嫌いなんです。私はもうどれでも角を取ってるんです。それで丸くする癖がありますね。そうしないとどうも何か手触りが悪いような、それから心持ちがしっくりこないんです。それも日本的な手法ですね。柱でもみんな面を取る。面で大きさを加減するわけです。ウチでやる時は必ず面幅をい...
2026.08.09 04:39村野藤吾 語沙録 「和風」物理的にも、心理的にも、明らかに人間に必要な自然的条件を、極限のところまで圧縮したような特殊な建築空間は、それなりの影響と物心両面におこさせるだろうし、またその影響力こそ、そのような限界空間を生んだ原因であったと思う。宗及や宗湛を相手に、珍品や平站の話をしている限りは、秀吉にとっ...